こんにちは!
気ままな読書を楽しんでいるあびあびです。 今回は、星ごとにルールが違うSFミステリの祭典!
『宇宙探偵ノーグレイ』
を読んだので、ネタバレなしで感想をまとめます!
『宇宙探偵ノーグレイ』あらすじ
怪獣の惑星で発生した怪獣の首切り密室殺人事件。
転生の星では殺人を試みる幽霊の調査。
天国の惑星では、全住人が嘘をつけない中で起こる連続殺人。
演劇の星では脚本にない演劇中の殺人。
チキュウでは”重なり合う世界”の猿からの侵略。
宇宙探偵ノーグレイは、お金が欲しい一心で次々と舞い込む高報酬の無理難題を受ける。そのたびに巻き込まれ、追い詰められる…正統派の名探偵とは少し違う、ちょっとやらかし気味の宇宙探偵が繰り広げる、異星ミステリ短編集。
『宇宙探偵ノーグレイ』読後レビュー(ネタバレなし)
特殊設定ミステリがぎっしり
どの話も舞台となる惑星のルールが独特。たとえば、恐竜が支配する星では“脳を恐竜に移植して調査”を行い、演劇の星では“脚本通りでしか動けない”という制約があるなど、一作ごとに大胆な前提設定が敷かれています。
それぞれの星には、そのルールに至った歴史や文化背景がしっかり用意されており、短編ながら世界観に奥行きがあるのも魅力。
ノーグレイの魅力は「巻き込まれ型」
ノーグレイは名探偵ではあるけれど、事件に華麗に登場して鮮やかに解決する…というタイプではありません。
むしろ「え、なんでこんなことに!?」と不憫な状況に巻き込まれながらも、持ち前のしぶとさで謎に食らいついていくタイプ。恐竜の身体に脳を入れて現場調査をしたり、幽霊に何度も殺されそうになったりと、読者も「そこまでやる!?」と驚かされます。
その姿には悲壮感よりも滑稽さがあり、重すぎず軽すぎず、独特のSFコメディ的な味わいがありました。
笑いと謎解きが絶妙に両立
設定だけで笑えてしまう作品も多いですが、それを“ミステリ”としてきちんと成立させているのが本作の強み。
特に演劇の星の話では、「世にも奇妙な物語」的なテイストを思わせつつも、ふんわりした雰囲気で終わるのではなく、論理的に謎を解いて終わることで読後の満足度が高いです。
こんな人におすすめ!
✔️ 特殊設定ミステリが好きな人
✔️ 斬新な世界観の小説を求めている人
✔️ 笑えて、でもちゃんと推理したい人
まとめ
宇宙探偵ノーグレイは、奇抜な設定×ミステリ×コメディという異色の組み合わせで、読めば読むほどクセになる一冊でした。
短編集なのでスキマ時間に少しずつ読むのも良いし、一気読みして多様な星の世界観にどっぷり浸かるのもおすすめです。
“特殊設定ミステリ”というジャンルに興味がある人は、ぜひ手に取ってみてください!
