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あびあび
気ままにページをめくりながら、ときには鳥肌、ときには心を揺らす読書を楽しんでいます。

主にミステリー小説やホラー小説を中心に、「気軽に読めるけど、忘れられない一冊」をあらすじ中心に紹介しています。

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【特殊設定ミステリ10作】異常で最高!設定が光る傑作特殊設定ミステリまとめ

普通じゃあり得ない状況で展開する“特殊設定ミステリ”に惹かれたことはありませんか?

本記事では、日常から大きく逸脱した異常な状況下で描かれる傑作ミステリ小説を10作をご紹介します。

「設定が奇抜すぎてミステリにならないのでは?」と侮るなかれ。 

その設定だからこそ実現できたどんでん返しやトリックに、あなたもきっと驚くはず!

✔️ 一風変わったミステリが読みたい方
✔️ 本格ミステリと特殊設定の融合に興味がある方
✔️ 「次に読む1冊」を探している方

ぜひ参考にしてみてください!

目次

白井智之『エレファントヘッド』

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¥2,145 (2025/05/06 15:38時点 | 楽天市場調べ)

精神科医・象山晴太は、女優の妻と才能を持つ二人の娘たちに囲まれ、表面的には幸福な家庭を築いていた。
しかし、両親の死から「どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうこと」を知る彼の心には、常に不安がつきまとっていた。
ある日、ささいな出来事から家族に生じた「亀裂」を修復しようと、彼は違法な薬「シスマ」に手を出してしまう。だがその薬は、決して踏み込んではならない“領域”だった。
伏線が張り巡らされたカオスな世界で、衝撃の多重解決が読者を待ち受ける。

「これはヤバい!」と思わず口に出してしまう異常世界。
白井智之さんならではのグロテスクで倒錯的な世界観と、緻密に構築された本格ミステリの融合がとにかく凄いです。
伏線の張り方、多重解決の構成、そしてページをめくるたびに頭を抱えるような“異常設定”。
正直、耐性のない方にはおすすめできませんが、読んだ後にしばらく放心状態になるレベルの衝撃作でした。
本作は「謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止」と明言されている通り、事前情報ゼロで読むのが正解です。
人によってはトラウマになるかもしれませんが、ミステリ好きなら一度は体験しておきたい傑作です。

『人間の顔は食べづらい』『東京結合人間』もおすすめで、どの作品もグロテスクな描写がありますが、設定・展開・ロジックの三拍子が揃った異端の特殊設定本格ミステリです。

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南海遊『永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした』

没落貴族・ブラッドベリ家の長男ヒースクリフは、母の危篤の報を受け、三年ぶりに生家「永劫館(えいごうかん)」へと帰還する。
だがその夜、大嵐によって永劫館は外界から完全に孤立するクローズド・サークルと化し、足の不自由な盲目の妹が“密室で首を切断された死体”として発見される。
絶望するヒースの前に現れたのは、翡翠の瞳を持つ魔女・リリィ。
彼女は命を絶ったかに見えた瞬間、2人は“事件発生の前日”へと時間を巻き戻されていた
妹の死を阻止するため、犯人の正体を突き止めるため、ヒースとリリィはタイムループを繰り返し、事件の真相に迫っていく。

圧巻のギミックが交錯する異色ミステリ!
まず驚かされるのは、ひとつの屋敷に詰め込まれた“謎”の量と質。
密室殺人、クローズド・サークル、死に戻り、遺言の秘密、魔女の正体、そして父の死の真相……

物語の構造自体がパズルのようで、ラストに向けての怒涛の展開には思わずページをめくる手が止まりませんでした。

麻根重次『千年のフーダニット』

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選ばれた6人の男女は、コールドスリープ(冷凍睡眠)により千年後の未来で目覚めるはずだった。
だが、目を覚ました彼らを待っていたのは、ナイフが刺さった状態でミイラ化した“ひとりの仲間”の死体。
しかも、施設の記録によれば、その人物は850年後に一度目覚めていた。
つまり――眠っていたはずの途中で、何者かに殺されたのだ。
変わり果てた千年後の世界を探索しながら、過去の痕跡と現在の違和感をつなぎ合わせていく。
やがて明らかになるのは、想像を絶する“史上最悪の真相”だった――。

コールドスリープ中の殺人という斬新な設定にまず惹き込まれました。
犯人は誰なのか? いつ、どのように犯行が行われたのか? といった定番のミステリ要素が、SFの舞台で絶妙に展開されます。
千年後の世界を探索する描写は臨場感があり、まるで自分も一緒に目覚めた気分になります。

そしてラストに明かされる“人類史に刻まれるほどの衝撃的な真相”には、思わず息を呑みました。

桃野雑派『老虎残夢』

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武術を極めた者たち――武侠が活躍する時代。岩を砕く怪力、毒を無効化する肉体、水上を走る俊敏さなど、超人的な能力をもつ彼らが、「奥義を授ける者」として集められる。
しかしその集まりの場で、主人公・紫苑の師匠が密室状態で死亡しているのが発見される。
師を殺された紫苑は、仇を討つため、武術と知略をもって密室殺人の謎に挑む――。

岩を砕くような怪力や、空を駆ける身のこなしなど、一見すると“何でもアリ”な世界観。
しかし、その中でしっかりと密室殺人という論理的な謎解きが成立している点が面白い。

トリックだけでなく、キャラや世界観にも引き込まれるので、読み終えたときの満足感が高かったです。

同作者の桃野雑派さんによる『星くずの殺人』も非常におすすめ。

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浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』

短期間のうちに3人の生徒が自殺した。
遺書に共通するのは、こうした一文。
「私は教室で、大きな声を出しすぎました。」
突然の出来事に校内が動揺する中、主人公・垣内の元に届いたのは「嘘を見破る能力を授ける」という謎の便箋。
そして彼は知る。この学校には、代々“能力者”が4人存在するということを——。
垣内は自身に授けられた能力を手がかりに、次の犠牲者を出さぬよう犯人を突き止めようとする。
果たして垣内は、連続自殺の真相と犯人の“能力”を暴くことができるのか?

読み始めたら止まらない!衝撃の展開とリアルな苦悩が心を揺さぶる。

どのキャラクターが、どんな能力を持っているのか。
誰が嘘をついていて、誰が本当のことを言っているのか。
その曖昧さが不安と緊張を生み出し、どんどん読み進めてしまいます。

また、登場人物たちが抱える痛みや葛藤がリアルで、思わず共感してしまうシーンも多数。
誰にでも起こりうる“教室の空気”が持つ残酷さを、ミステリとして巧みに描いています。

文章のテンポもよく、だれることなく一気に読了できるのも魅力です。

秋尾秋『彼女は二度、殺される』

死者を一時的に蘇らせる能力者=傀々裡師(くくりし)という存在が活動している世界。
ある日、傀々裡師は、何者かに絞殺された少女の蘇生依頼を受け、彼女の家を訪れる。
しかし棺を開けてみると、少女の遺体は蘇生不可能なほど破壊されていた
少女は確かに殺された——だが、誰かがその遺体をさらに損壊していた。
事件の全貌が明らかになるとき、読者を待っているのは、想像を絶する真相。

“彼女はなぜ、二度も殺されなければならなかったのか?”
死者蘇生という特殊設定を巧みに活かした本格ミステリ。

常識の斜め上をいく“イカれたトリック”
「その発想はなかった……」という驚きとともに、さらにそこから別視点によるどんでん返しが畳みかけてくる怒涛の展開。

二重三重の仕掛けで、ページをめくる手が止まりませんでした。

今村昌弘『屍人荘の殺人』

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ミステリ愛好会に所属する葉村譲と明智恭介は、同じ大学の剣崎比留子とともに、映研の夏合宿に参加するため、山奥のペンション「紫湛荘(しじんそう)」を訪れる。
だがその夜、突如として起きたバイオテロにより、周囲の人々がゾンビ化
館はゾンビに包囲され、一行は籠城を余儀なくされてしまう。
そんな極限状態の中、ペンション内で部員の一人が密室状態で殺される
さらに、それは単なる偶発的な事件ではなく、連続殺人の幕開けだった——!

「ゾンビに囲まれた館で起きる殺人事件」という異色すぎる舞台設定ながら、本格ミステリとしてのトリック・ロジックは驚くほど精緻

『屍人荘の殺人』は、ゾンビという異色の要素と、本格推理の王道を見事に融合させた特殊設定ミステリの金字塔。ミステリ賞を総なめにし、映画化もされた話題作です。

シリーズ続編の『魔眼の匣の殺人』『兇人邸の殺人』もそれぞれ異なる特殊設定ミステリが楽しめる傑作なので、あわせて読むのがおすすめです!

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相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

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推理作家・香月史郎は、ある日、謎の女性・城塚翡翠と出会う。
彼女は死者の魂を降ろし、言葉を伝える能力を持つが、その“霊視”には証拠能力が一切ない
それでも翡翠とともに、不可解な事件に挑み、香月は霊媒の力と論理の推理を融合させて真相に迫っていく。
果たして、霊視で犯人を知ることができる探偵という存在は、ミステリを成立させるのか?
すべてのパズルのピースが揃ったとき、驚愕のどんでん返しを目撃する!

霊媒が事件を解決するなんて、ミステリとして成立するの?
そう思った方こそ、絶対に読んでほしいです。

そしてラストでは……
「えっ、そういうこと!?」とページをめくる手が止まりません。
まさに読者をも欺く極上の“仕掛け”が待っています。

城塚翡翠を好きになったら『invert 城塚翡翠倒叙集』『invertⅡ 覗き窓の死角』もぜひ手に取ってください。

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田中啓文『宇宙探偵ノーグレイ』

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怪獣の惑星で発生した怪獣の首切り密室殺人事件
転生の星では殺人を試みる幽霊の調査
天国の惑星では、全住人が嘘をつけない中で起こる連続殺人
演劇の星では脚本にない演劇中の殺人
チキュウでは”重なり合う世界”の猿からの侵略
宇宙探偵ノーグレイは、お金が欲しい一心で次々と舞い込む高報酬の無理難題を受ける。そのたびに巻き込まれ、追い詰められる…正統派の名探偵とは少し違う、ちょっとやらかし気味の宇宙探偵が繰り広げる、異星ミステリ短編集。

どの話も舞台となる惑星のルールが独特。たとえば、恐竜が支配する星では“脳を恐竜に移植して調査”を行い、演劇の星では“脚本通りでしか動けない”という制約があるなど、一作ごとに大胆な前提設定が敷かれています。

それぞれの星には、そのルールに至った歴史や文化背景がしっかり用意されており、短編ながら世界観に奥行きがあるのも魅力。

榊林銘『毒入り火刑法廷』

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魔女の犯行でしか説明できない事件が発生したときに開廷される、特別な裁判――「火刑法廷」。 この法廷で問われるのは、事件の犯人かどうかではない。「被告が魔女かどうか」が審議され、魔女と認定されれば、たとえ事件に関与していなくても火刑に処されてしまう。
そんな中、密室殺人事件が発生。魔女による犯行か、それとも魔女の仕業に見せかけた人間によるトリックか? 事件の真相を巡る、異色の法廷ミステリが幕を開ける。

魔女や密室殺人というファンタジー要素と、緻密な推理ミステリが融合した物語

魔女の能力が明確に定義されているため、ミステリとしてのロジックも破綻せず、ファンタジーに振り切りすぎない絶妙なバランスが魅力です。

まとめ

いかがでしたか? 

今回は、【設定が光る特殊ミステリ】を10作厳選してご紹介しました。

特殊設定ミステリいいですよね...! 大好きです!

非日常の舞台や能力、状況設定を巧みに活かしながらも、 しっかりと論理で真相に迫るミステリの魅力が光る作品ばかり。

気になる1冊があれば、ぜひ手に取ってみてください。 

あなたの“やられた!”が、また一つ増えるかもしれません。

読書の参考になれば嬉しいです!

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