なんで読もうと思ったか
タイトルから好みの香りがする
このミス大賞作の最後にある、各作品の選評でこの作品のタイトルを見て、面白そうだと思い読みました。
簡単なあらすじ
死んだ人間を一時的に蘇らせる能力を持つ傀々裡師(くくりし)と、そのボディーガードの式鬼(しき)。
2人は男女の双子で、傀々裡の依頼があるところへ教会から派遣される。
今回の依頼は何者かに絞殺された少女の傀々裡。
傀々裡をしようと棺桶の蓋を持ち上げると、そこには絞殺された状態とは異なった、見るも無惨な遺体があった。
なぜ彼女は二度殺されたのか。
傀々裡師と式鬼が、事件を解決するために調査を始める。
面白かったところ
特殊設定ミステリ
好きなジャンルです。
人間を蘇らせることができる世界だからこそ起きた事件。だからこそ可能なトリック。
その特殊設定も複雑ではないため、すんなりとそれありきで考えられます。
地道な捜査
捜査は特殊設定を活かしたとかではなく、地道にいろいろな人に話を聞いていくというものでした。
主人公の能力以外は通常の世界なので、普通のミステリを読んでいる感覚です。
聞き込みをしていくと、容疑者それぞれの背景、関係、人間ドラマが面白く、主人公の背景も少しずつ見えてきます。
得た情報を元に相手に揺さぶりをかけて、小さな謎が徐々に明かされていく…情報が少しずつ整理されていき、また謎が生まれ、どんどん先が気になりました。
どんでん返し
アリバイのトリックは僕の予想通りに進み、(とても終盤で思いついただけ)まぁそうですよね、と読み進めていたのですがその後の“イカれたトリック”にやられました。
そういう風に使うのか、と。
それで終わりかと思ったら違う角度からのどんでん返し。
読んでみての感想
特殊設定ミステリでは、通常じゃ考えられない絵が浮かぶのが面白いですね。
もっと想像を柔軟にしていかないと。
解決シーンでしっかりと盛り上がり爽快な読後感でした。
ぜひこの気持ちよさを味わってください。
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