こんにちは!
気ままな読書を楽しんでいるあびあびです。 タイトルから漂う好みの香り…
『彼女は二度、殺される』
を読んだので、ネタバレなしで感想をまとめます!
『彼女は二度、殺される』あらすじ
現代日本には、死者を一時的に蘇らせることができる能力者「傀々裡師(くくりし)」が存在する。彼らは福音協会という組織に所属し、依頼を受けて死者を蘇らせ、その死の真相を探ることを仕事としている。
今回、教会から派遣された双子の傀々裡師・黒緒と、そのボディーガードである白夜は、何者かに絞殺された少女・真珠の蘇生依頼を受け、周防家を訪れる。しかし、棺の中にあった遺体は、蘇生が不可能なほど損壊された状態だった。
なぜ少女は「二度」殺されたのか――。
事件の謎を追い、二人は地道な聞き込み捜査を通して、真相に迫っていく。
『推しの殺人』読後レビュー(ネタバレなし)
特殊設定×地道な捜査
「死者を蘇らせる能力がある」という設定はかなり奇抜ながら、物語の中ではすんなりと馴染んでおり、トリックも“その設定だからこそ成立する”という納得感があります。
複雑すぎず、読者も設定に振り回されることなく謎解きを楽しめます。
一方で、捜査自体は非常に地道。容疑者たちへの聞き込みや、証言の食い違いを拾っていく展開は、クラシックなミステリの良さをしっかりと感じさせてくれました。
登場人物たちの背景や人間関係も丁寧に描かれ、情報が一つひとつ積み重なっていく展開は非常に読み応えがあります。
イカれたトリックに驚愕
中盤までは「これで解決かな?」と思わせる展開が続くのですが、そこから一気に加速します。予想していたアリバイトリックの先に待っていたのは、想像の斜め上をいく“イカれたトリック”。
その発想はなかった……と読者を驚かせたかと思えば、さらに別の視点からのどんでん返しが待ち構えており、まさに息もつかせぬ展開です。二重三重の仕掛けで、ページをめくる手が止まりませんでした。
読了後の爽快感
終盤の解決シーンは緊張感が高まり、一気に盛り上がります。そして、謎がすべて明かされたときの爽快感は格別。特殊設定があるからこそ生まれた驚きと、それに依存しすぎないしっかりとした構成力に脱帽です。
読み終えたあと、「なるほど、そうくるか」と思わず唸ってしまう。そんなミステリでした。
こんな人におすすめ!
✔️ 特殊設定ミステリが好きな人
✔️ 奇抜だけど納得感のあるトリックを求めている人
✔️ 現代×特殊ルール系が好きな人
✔️ タイトルで惹かれてしまうタイプ(私のように)
あらすじ紹介ショート動画はこちら!
まとめ
『彼女は二度、殺される』は、特殊設定ミステリの面白さと、クラシックな推理小説の丁寧さが融合した作品です。 トリックの独創性と物語の運びの巧さが光っており、「特殊設定はちょっと……」という人にもおすすめできるほど自然に読ませてくれます!
