こんにちは!
気ままな読書を楽しんでいるあびあびです。 今回は、幽霊をレンタルしている古物商のお話
『死人の口入れ屋』
を読んだので、ネタバレなしで感想をまとめます!
『死人の口入れ屋』あらすじ
かつて勤めていた警察を“ある事情”で辞めた久瀬宗子(くぜもとこ)は、紹介を受けて訪れた「古物商 阿弥陀堂」の面接にやってきた。だがこの店、ただの骨董屋ではなかった――。
阿弥陀堂が扱うのは、幽霊が憑いた曰く付きのアイテム「忌物(いみもの)」。
人には口にできないような恨みや憎しみを抱えた依頼人たちが、幽霊の力を借りて“何か”を起こすために、品を借りにくる。
霊感の強い宗子は採用されるが、自分の正義が通用しない現場と、掴みどころのない社長の阿弥陀に振り回されていく連作短編集。
『死人の口入れ屋』読後レビュー(ネタバレなし)
幽霊よりも怖いのは「人間の感情」だった
本作は、幽霊の怪異を描きながらも、その背後にある人間の業や執念の方がむしろ恐ろしく感じられる構成が魅力です。
忌物(いみもの)を借りに来る依頼者も、憑かれる対象者も、かなり強烈なキャラクターぞろい。
「そりゃ恨まれて当然だ……!」と思ってしまう胸糞エピソードもあり、「もっとやれ!」と気付けば幽霊側を応援してしまうような心理にさせられました。
阿弥陀堂の掛け合いが心地いい
依頼を受ける側の「古物商 阿弥陀堂」チーム――
店主・阿弥陀、主人公の宗子、そして先輩スタッフの宝生の軽妙なやりとりが、ホラー作品ながら重くなりすぎない絶妙なバランスを作り出しています。
シリーズとして続いていってほしい、と思わせてくれるチームです。
「幽霊のレンタル」システムに妄想が広がる
もし現実にこういった店があったら、実際に使う人も多いんじゃないだろうか……そんな想像がふと頭をよぎります。
忌物そのものの背景や、店主・阿弥陀にしか見えない幽霊「メグミ」など、もっと深堀りしてほしい部分もたくさんありました。
こんな人におすすめ!
✔️ ホラーミステリが好きな人
✔️ 短編でも物語として繋がる構成を楽しみたい人
✔️ 感情を揺さぶられる人間ドラマを読みたい人
✔️ ダークな設定×軽快なキャラのバランスが好きな人
あらすじ紹介ショート動画はこちら!
まとめ
『死人の口入れ屋』は、呪いや幽霊といったホラー要素と、人間の内面に迫るドラマ性、そして明るさとテンポを保つキャラクターの掛け合いが絶妙に組み合わさったホラーミステリー作品です。
単なる“怖い話”では終わらず、読後には人間の欲や怨念など、どっしりとした余韻の残る一冊でした。
短編集ながら全体を通してストーリーがつながっており、シリーズ化への期待が高まります!
