こんにちは!
気ままな読書を楽しんでいるあびあびです。 今回は、ミステリ×怪物の衝撃作
『ミノタウロス現象』
を読んだので、ネタバレなしで感想をまとめます!
『ミノタウロス現象』あらすじ
突如として世界各地に現れ始めた”人身牛頭”の怪物。その正体や発生源は不明ながらも、通常の武器で討伐が可能なことから、人々は困惑しつつも対応に追われていた。
そんな中、市議会の議場で怪物が出現。街は混乱に包まれ、市長・利根川翼もその渦中に巻き込まれていく。元ベーシストで型破りな市長・翼は、市民を守るため奔走し、怪物討伐へと動くが、倒した怪物の”中身”を見た瞬間、事件の本質がまるで違っていたことを知る――。

『ミノタウロス現象』読後レビュー(ネタバレなし)
ミステリ×怪物=特殊設定の新境地
“怪物が出てくる”と聞くと、単なるパニックものと思いきや、本作はれっきとした本格ミステリ。その世界に突然発生した特殊設定(怪物の存在)に、現代社会や政治、個人の思惑が絡んでいく構造が見事でした。
通常のミステリとは異なり、「なぜ怪物が現れたのか」という謎と、「その特殊設定を使った不可能犯罪」の2重構造が楽しめます。
市長キャラがクセ強で魅力的
主人公の翼は、政治家というよりもロックな精神を持った異色の市長。ポジティブで突飛な発言に驚かされつつも、その行動力と人間味が読者を引き込む魅力があります。
冷静沈着な私設秘書とのコンビも絶妙で、翼の大胆さをうまく中和しており、推理の進行もテンポ良く楽しめました。
世界が”変わっていく”過程のリアルさ
怪物出現に対して、YouTuberがバズ狙いで討伐に乗り出したり、政治家が利用しようとしたりと、今の社会を反映したリアクションがとてもリアル。
その結果、”普通”だった世界が少しずつ”異常”を受け入れていく感覚が生々しく描かれています。
こんな人におすすめ!
✔️ 本格ミステリが好きだけど、ちょっと変わった舞台設定にも惹かれる人
✔️ パニックもの・SF的な要素がある物語が読みたい人
✔️ 社会の変化を含んだフィクションを楽しみたい人
まとめ
『ミノタウロス現象』は、読んでいるうちに、当たり前だった世界が”変容”していく感覚が新しく感じました。
常識が揺らぎ、理解を超えた事象に直面したとき、人間はどう行動するのか。そしてその中にこそ隠された”真相”とは――。
常識が壊れる瞬間を、あなたも体感してほしいです。