GW明け、退職代行に依頼がたくさんきているらしいですね。退職代行の小説とかあるんかな?可愛がっていた部下が退職代行で辞めるとか、そこにも物語があるんでしょうねー
では気ままにいきましょー
きままな感想
本格ミステリ過ぎた!めちゃ面白かった!
タイトルに興味が湧いたし(アリバイ崩し承りますの逆みたいと思った)、装丁が大好きな浅野いにおさんだから読もう!となったけど、
正直、こんな本格で、伏線が張り巡らされるとは思っていなかった…
いい意味で裏切られた…
裏切りはミステリの醍醐味ですもんね…
依頼者が犯人とならないような殺人シナリオを書き、販売する豺(やまいぬ)。
風”(ぶう)はこの作家を突き止め、これから行われる殺人をやめるように説得を試みる。
そこで2人は依頼者に殺人が成功したと思わせて、ターゲットを逃すという方法をとることにする。
しかし犯行当日、その作戦は想定通りに進まず別の殺人が行われてしまう。
…というストーリー。
ちょっとミステリパロディ臭が始めは漂っていました。
こんなことは、本格ミステリではありえない。極めて怪しい部外者の登場に、流鏑馬は唖然とする。
その殺人、本格ミステリに仕立てます。
のように。
でも中盤から超本格!
見取り図があって、クローズドサークルで、館が出てきて(九角館という名前も)、お金持ちが出てきてって、本格ミステリあるあるが沢山使われますが、ストーリー自体は斬新でした!
豺と風”の掛け合いが漫才のようなテンポがあり、読みやすかったのもよかったです。程よい感じで、くどくはなかった。深刻なシチュエーションでこんな掛け合いをするという呑気さと緊張との緩急。
最近のミステリは主人公の絵が浮かびやすいような、魅力的なキャラクターが多いなぁと。
装丁のイラストでイメージがしやすいのもあるかもですが。
このミステリの主人公、風”はおっちょこちょいでアホで頑張り屋な性格。応援しながら読んでまう!
自分がミステリ小説の主人公の生まれ変わりだと信じているのとか健気。
鼻がきくという特殊能力?も後半にかけどんどん活躍していきます。ぶうだけに。
そして表紙のようにバカでかわいい風”の表情は、物語の終盤で引き締まっていきます。
実際の殺人は小説とは違い、愉快ではなく痛ましいものだと。前半とのギャップと成長している様子がミステリ要素以外にストーリーとしてよかった。
道化を演じているわけでもなく、推理に向き合い、必死になり、閃く様子。分かって当然でしょ?と、クールに解決していくカッコ良さとはまた違う感じが。
トリックに頭を捻り、伏線がどんどん回収されていき、どんでん返しの結末…
かなり面白かったです!
本格ミステリに仕立ててくれて、ありがとう。
その殺人、本格ミステリに仕立てます。
コメント