きっとネタバレもあるので、ご注意です!
あらすじ
日雇いで生活している佐藤(仮)が、行方をくらませた友人を探すため、高額バイト先へと乗り込む。
そこは探偵遊戯というシナリオに沿ったリアルな殺人が行われ、名探偵を疑似体験できる会場であった。
佐藤は何も知らされないまま参加させられていたが、実際の殺人を目の当たりにし、自分の置かれている状況に違和感を覚えだす。
きままな感想
探偵遊戯は昔から富裕層を楽しませてきた歴史のある娯楽。
なんて非道な。
僕なら
最初目立たなくて、途中から探偵だと思われていたキャラを食ってしまうような探偵キャラがいいです。目立ってる探偵キャラの推理に、それだと無理がありませんか?とトゥルートリックを飄々と言うような。そんなシナリオでお願いします。
ほんと新しい形のミステリがどんどん出てきますね。
この奇岩館が仕組まれたものであることは始めから開示されていたので、その環境自体が仕組まれたものだった!というトリックでもなく、それを前提としてもう一つ踏み込んだ構成でした。
それ踏まえても、ややこしーとか思わなかった。文章が分かりやすいんでしょうね。
この探偵遊戯を運営する側からの視点と、それに参加してしまう佐藤側からの視点の両方が描かれていました。倒叙ミステリっぽくなっていましたが、その視点ならではの謎も徐々に出てくるので、その面白さもあります。
佐藤が何を思って、どう動くか。
そしてどのように決着をつけるのか。
まさかあんなにカッコよくなるなんてなぁ
また、運営側の苦悩や苦心も面白く、この奇岩館の探偵遊戯シナリオと裏側のストーリーを同時に見れて厚みがあります。
現場の人、中間管理職はどこも大変そう。
ミステリ好きに向けられた探偵遊戯なので、いろいろなミステリのオマージュが絡んできます。その辺を知っているとより楽しめるかも。
僕は知らないのもあったので今度読んでみたいなぁと思いました。
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