ネタバレあるでしょう。
あらすじ
突如世界各地で出没し始めた人身牛頭の怪物。
怪物は強過ぎることはなく、武器を使うことで返り討ちにすることができるが、発生源や怪物の謎はなかなか解明されない。
市議会で対応策を議論しようとする最中、怪物が議場に出現し、街を混乱させることとなる。
元ベーシストの破天荒市長・翼は市民を守りつつ行動するが、そのとき討伐した怪物の正体が予想していないものであった。
きままな感想
人身牛頭の怪物に襲われるだけのパニックものではなく、怪物を絡めた特殊設定ミステリだった。
今よりほんの少しの未来が舞台なので、世界各地に怪物が出現することによって現代社会がどのように変化するかも面白かった。怪物YouTuberの出現や、それの討伐を政治的に利用する考えとか。
市長の翼は謎のポジティブさを持ち合わせており、窮地に追い込まれると逆に楽観的に考え大胆な行動に出る。
それを無表情で冷静にサポートする私設秘書とのタッグで事件の真相を追っていく。
よく読む特殊設定ミステリはその特殊設定が前提の世界から始まることが多いので、通常の世界に突如発生した特殊設定の謎を解きながら進めていくのが良かった。
その謎を解いたとき、犯人に辿り着けるという流れ。
その特殊設定の謎を追う過程、仮説を立てていくときや、検証が成功したときや、それが想定外だったときはドキドキした。
でもまぁ特殊設定というくらいだから、常識では辿り付かないし理屈じゃない。
その辺が解けてからミステリに変わる感じだった。
このミノタウロス現象が解明後の世界もいろいろ事件が起きそう。
こういう過程を踏んで僕らの見る特殊設定の世界は、そこの住人にとって通常の世界となっていくのかな。
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