どんな小説?
短編7編が収録されています。
◻︎バズーカ・セルミラ・ジャクショ《客が店から評価される時代の話》
◻︎生命活動として極めて正常《社員の殺害が制度として組み込まれている会社の話》
◻︎踊れシンデレラ《体育会系シンデレラの話》
◻︎老ホの姫《老人ホームにかわいいおじいがいる話》
◻︎手のかかるロボほど可愛い《戦争博物館でロボットガイドがおじいを案内する話》
◻︎追放されるつもりでパーティに入ったのに班長が全然追放してくれない《パーティを追放されるように頑張る話》
◻︎命はダイヤより重い《人身事故でも通常運行を優先する鉄道会社の運転手の話》
きままな感想
どの短編も面白かった。ふふっと笑えるのも多い。
一作目に小説としての違和感みたいなのを感じて、なんやこの小説…(いい意味)となった。
小説ってすごい自由だな、と思わされる文体とストーリー。
こんなに破茶滅茶なのに、どんどん読まされて、それが普通と思わされる説得力がありました。
いや、実際には普通とは思わされてはないけど、まぁこんな世界だとこうなるか、というか。
読んでるときは夢中で、そこに引っ掛かりを覚えることが野暮というか。
でも、一つ一つツッコミながら読むのもそれはそれで面白そうやし。
この感覚を説明するの難しいな。
いろんな読み味が凝縮されています。
設定もそれぞれすごく風変わりで良かったです。
同じ設定でコントも作れそうな、ユーモアのある設定ばっかり。
それに笑いを足すだけでなく、深みや展開が加わって、ときには心を打たれるようなものになっていました。なんで。
ニヤニヤしながらずっと読みました。
こんな小説もありなんですね。
個人的にアホ過ぎて笑ったのは踊れシンデレラです。
あ、パーティ追放も面白かったな。
一作目のバズーカの衝撃も。
装丁のコラージュもいいね。
コラージュに惹かれて読んで良かった。
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