あらすじ
とある山奥に違法建築された地下建造物を面白半分で散策する、大学時代の仲間7人。
夜となり帰ることができなくなった彼らは、山で迷っていた家族といっしょに10人で夜を明かすことになる。
翌朝大きな揺れで目を覚ますと、その地震により出入り口が塞がっていることを知る。
違法建築に備わっているギミックにより、1人が取り残されることで脱出はできるが、誰を残すか…
決めあぐてねているところで仲間の遺体が発見される。
殺人犯を捕まえ地下に取り残す1人にしようとなった一同は、閉鎖された空間で捜査を開始する。
きままな感想
読後感が苦しかった…!悍ましい…!(すごく良い意味)
少しモヤモヤする終わり方、バッドとは言えないけどハッピーではない終わり方みたいなのは、頭にこびりつきます…。
物語終わった後、何回も反復してしまうから思い出によく残る笑
もしこうだったら、と分岐させて違う終わり方を想像して。
江戸川乱歩の「陰獣」を読んだときは余韻というかこういう気持ちがとても強く、すごく長引きました。
1人を犠牲にしなければ脱出できないクローズドサークル、
その中に潜む殺人鬼、
地下から徐々に水が溜まっていく時間制限。
こんなところで冷静にいられない…心臓が締め付けられる…
僕なら発狂。
こんな環境下で、お茶目キャラもいなく、ユーモアのあることが起きないので陰鬱とした緊張感でした。疲れるけど気が抜けない。
あまり捜査も進まないときは心が折れそうになりますが、
その中で事件の手がかりが発見されたときの安堵感は一入。
でも犯人を捕まえても、脱出に協力をするかは分からないしなぁ
解決しないといけないのが、トリックだけでないのも頭を悩ませるところでした。
地震によりクローズドサークルになるという、人の力ではないものが加わるので、計画的な殺人は起こらないのでは、
という思いがありましたが、計画の全貌と動機を知ると驚愕。
積年の恨み、壮大な復讐、緻密な計画殺人も怖いけど、
この利己的でその判断をすぐに下すことにゾクッと背筋が凍りました。
めちゃ好みの作品でした。
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