ネタバレあります!
あらすじ
美桜の妹・妃奈は刃物で刺され遺棄された。
最初は不幸な被害者として報道されていたが、ある報道を機に妃奈は保険金殺人の容疑者として扱われるようになる。
妃奈がそのようなことをするはずがないと、信じる美桜。
事件の真相を知るため美桜は渚という大学生と捜査を始める。
きままな感想
話の真ん中くらいで美桜の本性が現れた瞬間、ゾクっと見え方が変わった。
おどおどしている気の弱い美桜は、それでも妹を信じて世間の声に立ち向かう道を選ぶので、偉いなと思っていた。
でも本当の理由は…
勝手にその行動に沿った良い人物像を描いてたなー。びっくりした。
人の本性は行動に出るって聞いたことあるけど、その行動からイメージを膨らませるのは自分であって、それをまんまと操られた!
信じ過ぎたいい読者!
終盤では誰もが疑わしくなっていき、その辺りから目が離せなかった。そんな短時間でいろいろ起きる?って。怒涛の展開。
てか、ヤバいやつが多過ぎる。
こいつヤバいやつやったんかい!でも、事件の本筋には関係ないんかい!みたいな。
過去の話を行ったり来たりするなかで叙述にも騙されて面白かった。
嫌な叙述トリックじゃなかった。
冒頭の
死の激痛にのたうつ体を押さえつけ、切り裂く。
「レモンと殺人鬼」
ってここやったんや、って分かったとき、美桜としてはここの場面が強く心に残って、人生観みたいなのが出来たんかな、とか思った。
まぁ真犯人はいきなり感があったように思ったけど、そんななんでも推理で見つかるもんじゃないよね、って感じで見れて、話の流れやドキドキ感でスッと読めた。
終わり方も結構好き。
凄惨な現場、周りから見たら不遇な人生。
そんな中、当人だけは明るい未来を見つめている。
残酷なシーンでクラシックが流れる演出を観ているような気持ち。
あの演出好きなんよね。
コメント