『有能助手は名探偵を操る』感想・レビュー|操る助手と操られる探偵、二人で一人の名探偵

貴戸 湊太 先生
『有能助手は名探偵を操る』感想・レビュー|操る助手と操られる探偵、二人で一人の名探偵
作品の魅力を伝えるため、作品内容に関する記述を含みます。未読の方はご注意ください。

こんにちは!

気ままな読書を楽しんでいるあびあびです。

今回は、二人で一人の名探偵『有能助手は名探偵を操る』

を読んだので、感想をまとめます!

『有能助手は名探偵を操る』あらすじ

人を操ることを得意とする和戸村丈(わとむらじょう)は、さりげない助言によって志谷禄郎(しやろくろう)を名探偵へと仕立て上げ、数々の難事件を解決してきた。

しかしある日、二人が過去に解決した事件をなぞるような模倣事件が発生する。

さらに同様の事件が立て続けに起こり、その中には、当時現場にいた者しか知り得ないはずの秘密まで再現されたものがあった。

一体、誰が、何のために過去の事件を模倣しているのか――。

『有能助手は名探偵を操る』読後レビュー

人を操るテクニック

人って案外、簡単に操ることができるんだ。

『有能助手は名探偵を操る』

和戸村は助手として、情報収集なども行う。

そのときに操るのは探偵の志谷だけではない。ほかの人もうまく操りながら立ち回り、必要な情報を手に入れていく。

そこで披露される、人を操るための心理テクニックが面白かったです。

ちょっとした勉強にもなるし、メンタリストみたいでかっこいい。

へっぽこ探偵と有能助手

和戸村は志谷の人間性を好いていながら、彼を操っている。その関係性が意外でした。

「操る」という言葉には、どうしても上下関係があるように感じる。

しかし、和戸村の場合はあくまで志谷をサポートする意味合いが強いように思えます。

へっぽこ探偵の志谷が、自分の力で事件を解決したと思えるように誘導する。

自分の利益のためではなく、志谷に花を持たせるための操り方に優しさを感じ、いいバディだと思いました!

名前からして相性もいいよねぇ。

ともに考えながら推理する

志谷はほかの探偵とは違い、事件の全貌が分からないまま推理を披露し始める。

話しながら推理を組み立て、徐々に犯人を絞り込んでいくスタイル。

だからこそ、推理に詰まったタイミングでブレーンである和戸村がさりげなく助言を与え、正解へと導いていくのですが、

この形式がとても読みやすく、分かりやすかった!

なぜ? → 助言 → 答え

という流れで、自分もへっぽこ探偵・志谷といっしょに考えることができました。

ミステリの答えだけを見せられるのではなく、「こうやって推理が組み立てられていくのか」と、その途中式をいっしょに考えていくような感覚。

徐々に犯人を絞り込んでいく過程に、自分も参加しているようで楽しかったです!

こんな人におすすめ!

  • バディもののミステリが好きな人
  • クローズドサークルや山荘ものが好きな人
  • 笑いもあり、トリックもしっかりしたミステリを読みたい人

まとめ

これだけ人を操ることができるのなら、もっと大きなことを成し遂げたり、自分の好きな人生を歩んだりすることもできるのに……。

それでも、あくまで探偵・志谷を支える道を選んだ助手・和戸村。

すごくいいバディでした!

トリックも推理も「なるほど」と納得できるものばかり。

そして読者である自分まで和戸村にうまく操られることで、犯人当てに参加しやすいのも新鮮だった。

ちょっとした名探偵気分も味わえる。

続編もありそうな感じで、次回の「操作」も楽しみです!

有能助手は名探偵を操る

貴戸 湊太

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