『名探偵再び』感想・レビュー|学園と私のために、今日も名探偵のふりをする。

こんにちは!
気ままな読書を楽しんでいるあびあびです。
今回は、名探偵の血筋を持つ学生が活躍する
『名探偵再び』を読んだので、感想をまとめます!
『名探偵再び』あらすじ
大叔母の時夜遊が名探偵として讃えられている、雷辺女学園高等学校に入学した時夜翔。
しかし彼女自身に、ずば抜けた推理力があるわけではなかった。それでも“名探偵の血筋”として、学園内の小さな問題にまで助言を求められるようになる。
そんなある日、学園で不可解な事件が起きる。翔は推理の協力を求められるが、どうにもならなくなり、大叔母が亡くなった雷辺の滝を訪れる。
そこで偶然、骨に触れた翔は、名探偵の亡霊と対峙できるようになる。そして骨を集める代わりに、推理をしてもらう契約を結ぶのだった。
『名探偵再び』読後レビュー
俗っぽいのに、応援したくなる主人公
亡霊の前で見せる、翔の明け透けな態度がとても良かったです。
『名探偵再び』「身の丈を超えた尊敬や賞賛を浴びるのが、とっても気持ちいいからです」 「清々しいまでの俗物ね」
このやりとりが好きでした。
主人公が口に出せないような俗っぽさに、妙に共感してしまいます。 被害者のため、学園の平和のため、大叔母の名に懸けて、というような立派な理由ではなく、あくまで自分の快楽のためというのがいい。
そこに“名探偵ではない”感じがあって、翔という主人公の魅力になっていました。
とはいえ、ただ他力本願なだけではありません。自分の欲のために、事件の手がかりをしっかり探そうとするところには好感が持てました。自分の欲のために、というところも含めて。
学園で巻き起こる、さまざまな事件
学園で起こる事件の数々は、トリックもロジックも楽しく、一冊でいろいろな形の謎を味わうことができます。
亡霊は滝から動くことができない、いわゆる安楽椅子探偵です。そのため、名探偵ではない翔が、現場から適切な情報を見つけ出せるのかが重要になってきます。
自分なら現場の何に違和感を覚えるのか。推理するために必要な材料は何なのか。 翔が事件そのものだけでなく、“何を持ち帰れば推理ができるのか”を考えていく過程が面白かったです。
頼みの綱を失った主人公
最後の事件では、翔は密室に閉じ込められ、犯人から挑戦状を叩きつけられます。 今まで自分で推理することをしてこなかった翔は、助けてもらうこともできない状況でどうするのか。 そんな時に思い出す、名探偵の言葉。
『名探偵再び』「あなたの基本理念に従いなさい。不格好でも卑怯でも、あなたのスタイルを貫きなさい」
俗っぽい主人公がこの言葉を武器に、事件をどう解決するのか。その展開がとても良かったです。 翔らしさがちゃんと最後まで残っていて、ただ急に立派な名探偵になるわけではないところも好きでした。
こんな人におすすめ!
- 学園ミステリが好きな人
- 等身大の主人公に惹かれる人
- 安楽椅子探偵ものが好きな人
まとめ
最初はタイトルが『名探偵再び』なので、「これって二作目かな?」と思って調べました。でも続き物ではないので、安心して本作から読んで大丈夫です。 (タイトルに関連性がなく、普通に面白そうと思って読んだ本がシリーズ二作目だった時って、「あっ」となりますよね。)
本作は亡霊が見える設定こそありますが、個性豊かな生徒たちが登場する学園ミステリとして楽しめる作品でした。
続編もありそうな終わり方だったので、今後も楽しみです。 また、ある人物にとって本作の事件は、大叔母の時代に起きた事件をスケールダウンさせたもの。だからこそ、大叔母の時代の事件も読んでみたいと思いました。 『名探偵再び』再び、期待しています。
名探偵再び

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